禁止を禁じてみては

先週末にある人気のある施設に行こうとしましたが、結局立ち寄ることなく通り過ぎてしまったときの話です。

その施設は人気があるとは聞いていましたが、初めて行くところで状況はよく分かっていませんでした。道も把握していなかったためカーナビで目的地をセットしてそのままナビに指示されるまま運転していました。

当日はそこそこ交通量は多く、初めて通る道でもあり周辺の車へ気を使いながら運転していましたが、想像していたより急に施設の直前まで到着しました。

しかし、いざ施設に入ろうとするとカーナビの示す施設への入り方ができなくなっていました。右折で対向車線を横切って施設の駐車場に入る道順をナビに示されていただのですが、右折では入ることができなくなっていました。その場所に仮設置されている立て看板に「4月1日か7日かそのぐらい(?)から右折禁止にしました」と書いてあり、車線の中央には車を通れなくするためのポールが10本程立っています。周辺の状況把握と運転に忙しく、看板の内容はさっと見ただけなので正確ではないかもしれません。これは交通安全のための処置であり納得できます。たとえ禁止されていなくても、当日の交通状況から考えても、その位置で右折で駐車場に入るのは無理だったと思います。

ちょっと残念だったのはその後です。その施設を通り過ぎた先は田舎道であり、信号もなくところどころにT字路があるのですが、そこにことごとく「事故防止のためUターン禁止」と書いた看板が立っているのです。ナビで案内されてきた人は右折で入れなかったため、Uターンして戻りたいと思うでしょう。そのようにする人が多く、といっても十分なスペースがないから切り返ししながらUターンする車が多いと思われます。しかもその先はずっと田舎道になり普通の道路をぐるっと回ってくる道の想像がつかないのです。これはいくら禁止しても、その施設に行きたい人は少し無理しながらUターンするでしょう。

施設の担当者または道路管理者はそのことを把握していて「Uターン禁止」としていることも理解できます。しかし、そこでUターンする人にとっては、施設に行きたいという理由があるのです。なのでいくら禁止してもUターンする人はなくなりません。この場合は、どうしたらその施設に安全に行けるのかを示さなければなりません。道順を地図で示す、次の信号を右折しなさいなど、施設に行く道が明確になれば、「お父さん、通り過ぎちゃったじゃん。施設に行きたかったのに!」と子供に言われても、「この道で進めばもうすぐ着くよ」と車内も平和になるのです。

もう一つは施設の前の交差点に到着する前に、施設に行くためには交差点で右折しなさいという看板を出しておくことです。事後の対処よりも事前に対策するこの方法がよりスマートでしょう。

この問題はナビの情報が更新されて、施設の駐車場への入り方の案内がアップデートされたら解決すると思います。

「禁止」「禁止」といくら言ってもそれを行う人がいるということは、そこに理由があったり需要があったりするのです。もちろん内容によるところはありますが、禁止ではなくスムーズに進めるための仕組みや設計を考える方がより良い社会になると考えています。