日数なのか日付なのか

会社を経営している人にとっては毎年の算定基礎届の季節(6月末)ですね。この毎年記入する書類で、毎年「どうなんだろう」と思っていることが今回の内容です。

「被保険者報酬月額算定基礎届」のなかで、それぞれの社員等の毎月の給与を記入する箇所があるのですが、その支給月、日数の欄が間違えて記入しやすい典型例になっています。

被保険者報酬月額算定基礎届の記載例

欄に書かれている内容は「9. 支給月」欄右下には「月」、10.日数欄右下には「日」になっています。このままササッと記入すると、4~5月の月とそれぞれの給与日となる20日とか25日をそれぞれ書いてしまいますよね。でも本来ここに書くべきは、3月16日から4月15日までの全日数なのです(15日締め、いわゆる正社員の場合)。ここに掲載した画像のように記載例には大きく、誤って給与支給日を記入する例が多いと書いてありますが、それはそうでしょう。

欄が左右に並んで、単位が月、日、円と並んでいたら、給与支給月、給与支給日、給与額と思うでしょう。これは月、日と並べば、日付を表すことが多くあるからです。一般的にこの並びで、月とその月の日数を表す例は少ないでしょう(しかも給与締日から多くは4月は31日、5月は30日と月の最終日とも違う)。見慣れたものがあれば、その見慣れたものと同じであろうと想像してしまうのは仕方がないかと思います。

記載例には注意事項として大きく載っていますが、本来の書類にはこの注意が書いてありません。どうやってこの誤りが起きないようにしたら良いでしょう。

一つは欄内の文字を変えることです。「9.支給月度」欄右下は「月度」、「10.日数」欄右下は「日間」とすることで、「月」「日」と並ぶことを避ける方法が考えられます。毎週特定の曜日のみ出社するパートさんなどについては、文言として「日間」の表現が少し微妙ですが、見慣れた文字と違うことで対策にはなりそうです。しかし、これまでの経験からすると、欄内の文字の大きさなどを考えると、やっぱり注意深く見ていない人はそのまま間違えそうです。

2つ目の対策は、給与支給日を記入させる案です。皆は月と日と金額が並べは給与支給日と思ってしまうのだから、そのまま記入してもらうのが良いでしょう。無駄な抵抗はしない方が良いのです。「9.支給月/日」欄内に「 月 日」、「10.対象日数」欄右下に「日間」とすると良さそうです。年金事務機構としては支給日は関係なく、無駄な情報なのかもしれませんが、誤って記入された情報を、改めて各企業に問い合わせたり修正したりするほうがよっぽど無駄かと思います。

私が弊社のこれらの事務作業をするようになって10年近く経ちますが、この書類はずっとこのままです。公的機関の書類全般ですが、なかなかフォーマットを毎年のように改良していくのは難しいかもしれません。確かに毎年変わっていたら混乱するかもしれませんし、でもやっぱり変えないと一向に効率良くなっていかない。難しいですね。


扉写真 Károly VáltóによるPixabayからの画像