シール台帳がほしい

最近は郵便局のレターパックプラスを利用する機会が増えてきました。メルカリで送ったり、離れて暮らす家族や知人に荷物を送ったり薄くて小さなものは宅急便より安くてポスト投函なので気軽ですね。私の周りでも使う人が増えてきて、ポストに投函できる「厚み3cm」が話題になったりします。

さてこのレターパックプラスは投函前に追跡番号が書かれたシール部分を封筒から剥がしておく必要があります。しかし、このシール部分がとてもめくりにくいんですよね。

レターパックの追跡番号シール部分

ラベルシール部分の端は大きな円弧になっているのです。シールの角を90度の尖った形にせずに丸くする方法は、一般的にはシールが剥がれにくいようにするための工夫です。尖った角に他の荷物などが引っかかってラベルが剥がれないようにするためですね。でも、レターパックの場合は、剥がしてほしいところに、わざわざ剥がれにくくする加工をしています。

剥がしかけたところ

この部分の裏面には糊が付いおらず、小さな範囲でミシン目も入っています。つまり、一度剥がれ始めれば、ミシン目までスムーズに剥がれて(元々糊がついていないのですが)、そこを持ってシール部分をきれいに取り外すことができるようになっているんです。

シール部分を目立つようにグラフィックが工夫されていることからも、これをデザインした人は使いやすさを考えてはいたと思います。しかし、紙の厚みや硬さ、ハーフカットの深さなどの要素が影響して、結局最初の剥がし始めが難しくなってしまっているんですね。

シールとなっている送り状ラベル

宅急便の伝票、ラベルはシール状態になっているものが増えてきました。私の手元にあるものだけでも佐川急便と西濃運輸はシールタイプでした。これらはシールの端の角から剥がすようになっています。この方式は広く普及していることから、実際の運用では意図せずに剥がれてしまうことは少ないと思われます。それどころか、忙しい配達員の人はこの端のピン角でも剥がすのが面倒なようで、ボールペンで引っ掻いて剥がしているようです。逆にこれは使いやすさへのヒントになりますね。

剥がし始めをボールペンで無理やり引っ掻いたあと

レターパックは意図しない剥がれを心配するあまり剥がしにくい状態になっていますが、工夫を見る限りこれは必ずしも失敗とは言えません。これから改良されていく可能性が高いと思います。

保管場所に困る剥がしたあとのラベル

ところで、このシール方式については、コスト削減には貢献していると思いますが、ユーザーからすると少し不便です。レターパックの追跡番号のシールは糊が強く、このシールをどこに貼っておくと良いのでしょうか。手帳に貼っておく?スマホとPCでスケジュール管理しているので手帳は持っていませんね。一度クリアホルダーに貼っておいたら、書類の間で圧力がかかったためか剥がれなくなりました。会社であれば発送記録のシールを貼る台帳が必要かもしれません。佐川急便や西濃運輸のラベルは、糊は弱いのですが、剥がした途端クルクルっと丸まってクロワッサンみたいになります。こちらも会社で受け取り記録票として保管がしづらく困っています。久しぶりにシール台帳のようなものを買ってきましょうか。

※さらに
レターパックの追跡番号シールに印刷されているQRコードは、郵便局のWEBサイトへのリンクだけでした。いや、この状態のラベルみてQRコードを読む人は荷物追跡をするでしょう。固有番号を印刷しているんだからなぜ一緒にその番号込みのQRコードを印刷しないのでしょうか。これは提供側のちょっとの工夫で、利用者の使い勝手が大きく変わる典型例です。ボタンを1回押すか押さないかでもユーザー体験が変わるのに、12桁のランダムな数字の問い合わせ番号の入力を求める仕組みになっているのは残念です。

※後日(2023.07.11)談
レターパックの封筒が手元になかったので郵便局で購入して、その場で宛先などを記入して発送しました。そこで問題は発送人の控えのシールです。貼っておく台帳も持っていないので、とりあえず財布の中で後で剥がしやすいであろうツルツルな面があるクレジットカードに貼っておきました。失敗です。会社に戻ってきて剥がして台紙に移そうと思ったら、全くきれいに剥がれません。写真を撮っておくことで記録はできて、プラスチックカードなので強引に剥がして洗いました。

日本郵便でこのサービスを企画した人・チームは全体を通したユーザーエクスペリエンスの考察とその実行に失敗しています(やっていないとは言っていません)。この問題、結構大きなサービス提供のバグだと思うのですが、ひとまずは紙か糊を変えるだけでも対応できそうです。日本郵便の人が「適当でいいや」と考えているわけではないでしょうから、企画した人がユーザーとして使っていない、使っていて問題点は分かっているけれど権限ある人に報告できない、組織としてサービスを改善する仕組みが機能していない(お金が掛かるから採用しない、一度採用したものを変更しにくい)などなのかなと想像しています。